自分の中に己以外の誰かが棲むなんて今までありえなかった。
どうしてこんなにも必要とするのか分らない。
「来い、よ…オレを待たせんじゃねぇ…」
(離れていた時間を忘れてしまう程にオマエでいっぱいになりたい…)
「景吾」
瞳を細めて愛おしそうに名前を呼ぶと、自らを押し込んだ。
「っ、あっ…ぁん」
忍足の刻むリズムに顎がのけ反り、白い四肢が小刻みに震える。
「やっ、…っ…あぁっ…も、う…」
押し寄せる快楽に支配されて頭が真っ白になり、このまま壊れてしまいたくなる。
両足を抱えられ深く捩じ込まれる欲望に途切れることなく喘ぐ。
「あっ…あぁっ、ん…っ」
「…ここ、景ちゃん好きやんなぁ…気持ちええの…?」
「く…、ん…あぁっん」
肉壁を擦り上げられ堪らず大きな声が漏れる。
「…かわいいなぁ…景ちゃん」
吐息まじりの忍足の声が耳に響く。
浅く、深く、動かされる腰の動きに身体を捻らせてよがる。
「そんなやらしい声出したら…オレもうもたへんわ」
覆い被さる姿勢で不規則な呼吸をしながらまっすぐオレを見た。
「こう見えて…結構余裕ないんやで…情けないわ」
シーツを掴むオレの右手をそっと握り、自分の胸へ押し当てた。
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