お互いの熱を絡ませた後の呼吸は喉の奥に冷たい空気が流れ込み、その温度差に思わず身体を強張らせた。

「まだまだやで。もっと景ちゃんが欲しいねん」

まだ足りへん、

そう言って再び口づけられ、忍足はそのまま器用にシャツのボタンを外していく。

開いていく胸元から肌が冷たい空気に晒される。

全てのボタンを外し、ベッドへと押し倒されスプリングがギシ、と独特な音を立てる。

軽く纏っただけになったシャツとシーツの白が同化する。

忍足の大きな手がわき腹をなぞり、溺れるような感覚に襲われシーツを握りしめる。

身体の芯が熱く疼いて腰を浮かせた。

「っ、は…ぁ、焦ら…すな…バカ…っ」



(オレだって…オマエが足りねぇ…そんなこと死んでも言わねぇけど)

「痩せたなぁ…」

若干筋肉の削げた腹部へ愛しそうに何度もキスを落とす。

「こんな細っそい腰、どないすんねん。壊してしまいそうやわ…」

浮いた腰を掴み一気に引き寄せられた。

性急に身につけていた衣服を脱がされて頬が赤くなるのが自分でも分かった。

全身が高揚する。

「景ちゃん…、 景…吾…」

名前を呼ばれるのが好きだ。

その低くてやわらかい声が好きだ。

オマエがいないと自分じゃいられないくらいに…好き、だ…。