「な、伝わる?」

触れた部分からドクン…ドクン…と早く脈打つ鼓動が伝わる。

一瞬全ての物音が消え去り、互いの鼓動がシンクロした。

今、確かに繋がっているのに何だか苦しくて切なくなる。

「好きや、景吾」

神聖な儀式を行う誓いのように長い指を絡めとりキスをする。

「もっと…、呼べよ…」



もっと、もっと、もっと…。

「…っ、景 吾」

オレの言葉が忍足を煽り、身体の中を支配する硬度が増す。

「景吾…オレの、名前も呼んで?」

「は、あぁ…っ、侑…士っ…侑士…」

次第に早くなるリズムに今度はオレが煽られる。

擦れ合う皮膚の濡れた音が部屋に響き、互いの限界を知らせていた。

痛みと快楽が入り混じって、いつも訳が分らなくなる。

昇りつめる刹那。

オレを離すな、

言葉になったかは分らないけど。

「…っ、あ…、あっ、あ…───」

「…うん」

短く返事が聞こえた気がした。







手放した意識の中、夢を見た。

眠るオレにアイツの手がくしゃりと髪に触れ、こう言った。



「ただいま」

そして額に優しいキスをした。







☆ここまで「雨音がきこえる」を読んで下さって、有難うございます♥
 プロットくらいしか文を書いた事がなく、
 拙い文章でしたが楽しく書く事ができました!
 最後はエロだけでしたが、どうも苦手(?)でドキドキ感もありませんが…。
 エロは難しい!…よぉーく解りました(笑)。